速記の仕事、検定資格、就職と派遣

速記の仕事とは

速記の仕事とは、会議やインタビューなどで「速記文字」という記号を使用し、発言者によって話された言葉をそのまま全て書き留めること。そしてその後、書き留めたものをワープロソフトなどで原稿に戻す「反訳」という作業も行います。


速記を取り文字に起こして議事録を作成する仕事は、国会をはじめ官庁や自治体で行われる会議や、一般企業、マスコミなどで必要とされています。民間の速記の仕事は、大変範囲が広く、議会、講演、座談、鼎談、対談、シンポ、パネルなどさまざま需要があります。(国会の衆議院・参議院では、少し前まではあった速記者養成所の募集をやめ、録音や音声認識を利用したシステムに変更しようとしてます。)


「テープレコーダーを使えば速記は必要ない」と思うかもしれませんが、それは違います。テープレコーダーを使用すると、雑音などで音声がうまく聞き取れない、複数の人が一度に何かを言った場合、会議の場にいないと誰が言ったかわからないといったトラブルも発生する可能性があります。また、レコーダーを使用して発言を録音するのを嫌がる人もいるので、速記者の存在は必要不可欠です。

速記の資格、速記技能検定とは

速記の技能を測る試験として、文部科学省が定めた速記技能審査基準に基づいて行われ、日本速記協会が認定する速記技能検定という資格試験があります。入門者向けの6級から、プロとして活躍できる1級まで、6つの級に分かれており、毎年1月、5月、8月、11月の最終日曜日に行われます。


速記のプロとして仕事をするには必ず持っていないといけない資格ではないのですが、速記検定試験の級は速記の実力の客観的な判断材料となりますから取っておいたほうがいいでしょう。


プロとして仕事ができるのは、3級以上が目安です。日本速記協会の速記技能審査基準(S63.2.2実施)によれば、速記技能検定1級は「会議・座談・講演などを単独で速記することができる」、2級は「会議・座談・講演などの速記の補佐をすることができる」、3級は「口述・電話などの速記ができ、また反訳を手伝うことができる」、4級は「平易な口述や草稿などに速記を活用することができる」、5級は「ノートやメモなどに速記を利用することができる」、6級は「速記の基礎が習得できていて普通文字よりも速く書くことができる」となっています。


また、速記技能検定1級・2級は「専門級」、3・4級は「事務級」、5・6級は「個人利用級」とも言われていて、4級合格者で速記の仕事をしている人も、仕事をしながら実力をつけ、上の級を取っていきます。


また速記には「早稲田式速記」「中根式速記」など数種類ありますが、どれを学んでもいいでしょう。ちなみにいちばん多いのは「早稲田式速記」のようです。

速記の資格と就職・転職

就職・転職の場合には、速記技能検定資格の1級、あるいは2級を持っていることを条件にしているところが多くなっています。最近では、新聞社等のマスコミ関係や議会事務局への就職が少なくなり、代わって速記会社や法律事務所スタッフへの就職などが多くなっています。


大変マニアックな仕事なので、テープレコーダーやパソコンなど新しい機械が登場するたびに、もう速記の仕事はなくなるのではないかと言われたりしましたが、やはり人間の能力にまさるような機械やシステムはなかなか完成しないので、今後も速記者のニーズは一定してあると思われます。


以前は速記事務所といわれていたものが速記会社となり、速記録の原稿だけでなく製本まで請け負ったり、その他にいろいろなサービスをするところがふえてきています。民間企業での速記の仕事は前述のように議会、講演、座談、鼎談、対談、シンポ、パネルなどと大変範囲が広く、必要なときに速記会に依頼することが多くなっています。速記会社の雇用形態も出勤ではなく在宅勤務というのも出てきています。


法律事務所での仕事は、弁護士の口述速記を反訳して原稿を作成すること。弁護士が裁判に提出する書類は膨大な量で、法律事務所に勤務する速記者は原稿作成を通して弁護士の仕事をバックアップします。事務所によっては、訴訟関連書類の作成や文献調査、弁護士のスケジュール管理といった秘書的業務を担当することもあります。


主な速記会社には、(株)会議録研究所、共立速記印刷(株)、(株)澤速記事務所、(株)大和速記情報センター、 木嶋・安藤法律事務所、山崎産業(株)などがあり、新卒や転職の中途採用を問わず、優秀な人材の採用には積極的なところが多いようです。